卒業おめでとう

3月23日、無事大学を卒業しました。もちろん、卒業式も祝賀会も謝恩会も全て中止になってしまったので、学位記授与式だけ出てきました。着るはずだった袴もキャンセルしたし、この日はスーツを着て出席。ここ1ヵ月で急激にスーツを着る機会が増えて、でもまたそれが大人の証しのような気がして背筋が伸びる思いだ。授与式が終わった後は、謝恩会が中止になったことを配慮してか、学科のみんなが最後に集まれるようにと先生方の方でお茶会的なものを準備してくれていた。その会場に行くまでの間に、友達に「沙織、ちょっと見せたいものがあるからきて」と呼ばれた。そこにあったのが、手作りのトランプ。これは、わたしたちの思い出の写真を使って作ったトランプらしい。制作にわりと時間がかかるらしく、メンバー全員に作ることはできなかったため、この世にはひとつしかないもの。

「なにこれ、誰が作ったの?暇人!」なんて軽口を叩きながら、ふと思い返してみれば、10人を越える男女仲良しメンバーで色んなことをしたなあ。次の日は1コマから集中講義があるというのに、たこ焼きパーティーをした後に夜中の大学で全力で缶蹴りをしたり、夏は海が近くにあるコテージに旅行にも行った。大型プールに行って騒いだ後に、飲んでカラオケ行って馬鹿なこともいっぱいした。クリスマスにはパーティーしたし、星が綺麗な日は屋上から星を眺めたり、何かあれば集まっていた。わたしは気難しい性格だから、色んなことを考え過ぎてみんなから少し離れていた時期もあった。それでもいつだって、遊びには誘ってくれたし、わたしが自由奔放だってことも受け入れてくれて最後まで仲良くしてくれた。わたしの人との付き合いの基盤は決して学科ではなかったし、バイトを優先したり勉強を優先することが多かった。それなのに関わらず最後まで仲間に入れてくれた学科の友達には感謝してる。

わたしはこの日、自分の中で決意をしていた。すきなひとの彼女と、話そうとおもっていた。ずっとお互い、すべてを知っているのに何もなかった顔で普通に接してきたけれど、最後だしちゃんと話したかった。別に特別仲良かったわけじゃないし、ただ偶然すきなひとの彼女が同じクラスだったっていうだけで、きっとこれから先も会おうってなる相手ではない。でもずっとわたしは、ひとこと謝りたいって思ってた。わたしがあのひとを好きになったことに対してのごめんなさいじゃなくて、ふたりが付き合っているのに二人きりで遊んだりしたことのごめんなさいでもない。わたしと彼の「ともだち」関係を制限される筋合いは彼女にないとおもっているし、わたしが彼を好きになったことだって別に何も間違っていない。じゃあ、一体何のごめんなさいかと言うと、きっと嫌な思いをさせたから。わたしはあの子じゃないけれど、自分の彼氏をすきだと言っている子がいて、その子と彼氏は仲が良くてふたりきりで飲みに行ったり、遊んだりしていれば不安にもなるだろう。ふたりの絆が強かったから良かったけれど、一歩間違えれば、ふたりのしあわせを壊す可能性だってきっとあったのだから。そういう意味で、わたしは一度謝りたいと思ってた。そのことに関しては、以前すきなひとには「必要ない」って言われた。それは、わたしの独りよがりで、ただの偽善だと言われば否定できない。彼女だって望んでいないかもしれない。それでもいいから、ちゃんと話したいって思ってた。でも結局、気付いたら彼女はもう大学を後にしていてつかまえることができなかった。前の日朝5時まで考えていたのに、結局行動に移せなかった。くやしい。でもアドレスを知っているので、メールしようか悩んでいるところ。

大学を後にして、18時からは学科のいつものメンバーで飲みをした。卒業ってかんじが全くなくて、いつも通りの飲みで、それがむしろわたしたちらしくて良かった。飲んだ後はカラオケに移動して、朝の5時まで歌って解散。カラオケではお菓子やカレー、ドリンク、アイスなどたくさんのものがおかわり自由でちょっと感動した。それで1000円って安過ぎる。久しぶりにジェリービーンズなんて見たものだから、テンションが上がってお写真をぱしゃり。

もう会えない人もいるんだろうなあ、なんてぼんやりおもった。よく集まるメンバーには会おうと思えば会えそうな気がするけれど、挨拶を交わすだけの存在だったクラスメートやときどき学校でばったり会って立ち話をする程度だった友達など。でもきっとこの出会いは無駄ではなくてひとつひとつが宝物。いつかは否が応でも消えてしまうような思い出だって、わたしを形成しているもののひとつ。大学4年間は、わたしを大きく変えました。良いことも悪いこともたくさんあったし、後悔してないわけではないけれど、それでもやっぱり過去はちゃんと受け入れていかなくてはいけない。苦しかったつらかったことだって、意味があるわけだから。4年間の自分をちゃんと受け入れて、新しいわたしになりたい。卒業おめでとう、わたし。今日の記事は内容が盛りだくさんでちょっと長くなってしまったので、卒業の日にお母さんからきたメールやその他にいろいろと思うことはまた今度書くことにしよう。