昔付き合っていたひと

今日は昔付き合っていたひとに会ってきた。中高大学とおなじで、高校は部活も一緒だったので、ときどき何人かで遊んだりする大切なおともだち。彼は勤務先が静岡なので、最後にということでふたりで遊んできた。別れた後にふたりきりっていうのは実ははじめてで、ちょっとどきどきした。別に何をするわけでなく、ふたりとも歌がすきなのでカラオケに行って、そのあとごはんして彼に送られて帰ってきた。他愛もないことしか話さないけれど、でもそういう関係がとても楽で、それはやっぱり昔付き合っていたひとだからなのかもしれない。

別れた理由はお互いが幼すぎたからで、どちらが悪いわけでもなかった。それでも、別れを切り出したのは彼で、そのときわたしは彼をすきだったからとても辛かったことをふと思い出す。縋りついたけれど、前みたいに好きにはならないよ、と言われたあとも2年ほど彼を引き摺った。そのまま大学生になってやっと諦めがついた頃にまたすきだと言われて悩んだ末、結局わたしたちはヨリを戻さなかった。中途半端に付き合って傷付けるのが怖かったから、わたしが彼を受け入れられなかった。きっと大切だったからなのだろう。

いまでも、彼がわたしを何となく大切にしてくれていることは分かっている。すきな人としてなのか友達としてなのか元恋人としてなのかは分からないけれど。最後にばいばいするときに「離れたくないよ」っておちゃらけて言った彼に少し驚いたので、わたしも「じゃあ、就職やめちゃえ!」って笑った。特別だけど、その手を握る勇気はわたしにはないから、いまのいい関係のままでさようならだよ。わたしたちがもしも運命の相手ならきっとまた繋がるときがくるはずだから、無理に繋がろうとしなくていい。これからも大切なおともだち。